【株式会社コーセー様事例】ブランド転換期に行ったCLASSY.読者へのインサイト調査からUGC創出までの一気通貫プロジェクト、その舞台裏は?

〝花の香りに包まれた上質なライフスタイルの提案〟を目指して、2018年にデビューしたFlora Notis JILL STUART(フローラノーティス ジルスチュアート)。2026年1月には、シグネチャーフレグランス「アイコニックブルーム オードパルファン」が発表されました。フレグランスブランドとしての転換期に実施されたのが、CLASSY.リーダーズ&カップルズにおける〝香りにまつわるライフスタイルや価値観〟のインサイト調査。「光文社ドクチョー総研(※以下、ドクチョー総研)」は、CLASSY. 編集部とともに事前アンケートと座談会を通して、Flora Notis JILL STUARTの認知度やイメージ、フレグランスアイテムの購買プロセスなどをリサーチしました。今回は「ドクチョー総研」との取り組みを決めた背景から調査結果の受け止めや今後の展望まで、同ブランドのマーケティングプランナー・小池田杏子さんにお話を伺いました。
<今回の調査の流れ>

ブランド転換期における課題と「ドクチョー総研」との出会い
原:「ドクチョー総研」が立ち上がって事業説明に伺ったのが昨年末でしたね。概要をお聞きになった際の感想を改めて伺えますでしょうか?
小池田さん:ちょうどお話を伺った時期が、既存商品よりも高価格帯のシグネチャーフレグランスの発売を控えたタイミングで、ブランドとしても転換期を迎えていました。フレグランスブランドとしてさらに存在感を高めるにあたり、ターゲット層のペルソナをより深掘りする必要性を感じていたので、「ドクチョー総研」のインサイト調査なら、ご一緒することで今後の商品やプロモーション展開に役立つ情報が得られるのではないか、と思いました。

小池田杏子さん
株式会社 コーセー 戦略ブランド事業部
Flora Notis JILL STUART マーケティングプランナー
2007年に入社し、営業職に従事。PR会社への転職を経て、2019年よりFlora Notis JILL STUARTのPRに着任。2026年7月からはマーケティングプランナーを務める。
原:「ドクチョー総研」との取り組みで、どんな課題解決を期待されていましたか?
小池田さん:一番知りたかったのは、ブランドのメインターゲット層のライフスタイルや価値観、フレグランスアイテムの購買行動や生活への取り入れ方です。また、私たちの中で「ブランド名に〝JILL STUART〟を冠していることで、若い方向けの商品と見られるのではないか」という疑問がありつつも、明確な答えを持っていなかったので、その部分への率直な意見も聞きたいと考えていました。
原:ブランドとしてはこれまでもインサイト調査をされていましたか?
小池田さん:ブランド認知や競合比較などのブランド調査は定期的に行っていました。ただ、定量調査がメインだったので、今回のように独身、既婚などライフステージごとに、みなさんの趣味嗜好を深掘りして、PR投稿まで行ったのは初めての取り組みでした。PR投稿では、CLASSY.リーダーズ・カップルズの方々の表現力の質の高さにも驚きました。
陣内:お褒めの言葉をありがとうございます。参加したCLASSY.リーダーズ・カップルズのみなさんもとても香りを気に入って、ブランドについてもよく知ることができて楽しい会だったようです。具体的にはどういった点に質の高さを感じていただけましたか?
小池田さん:私も座談会に伺って、ブランドの説明をさせていただきましたが、その座談会の熱量のまま、みなさん個々の視点で製品の魅力を切り取り、PR投稿してくださったところに、一般的なインフルエンサーとの違いを感じました。また、座談会では「リリースに書かれているような専門的な言葉だと、香りは伝わりにくい」という声が挙がりましたが、彼女たちのリアルな言葉で伝えていただいたことで、共感性の高い表現で届けたい方に届けられたのではないか、と思っています。
陣内:確かに、みなさん”自分ゴト化”して落とし込んだPR投稿をしていて、AIでは作れないアウトプットだと感じました。
小池田さん:ご自宅のシーンだったり、出掛けるまでの様子を動画でまとめてくださったり。訴求方法のバリエーションも豊かで、チームのメンバーもとても喜んでいました。
原:そう言っていただけてうれしいです。私たちは、小池田さんから直接、ブランドのヒストリーや製品に対する想いをお話いただけたことが、熱量の高いPR投稿に繋がったと考えています。また、CLASSY.世代は、商品の背景にあるストーリーに対しても知識欲が強く、どんな想いで生まれたブランドなのかを理解することが、エンゲージメントが高い購買のきっかけになるケースが多いです。
原さやか
光文社ドクチョー総研 所長
2003年に新卒で光文社に入社。2012年より「JJ」編集長を務め、その後「CLASSYウェブ」編集室長に就任、「CLASSY 事業部」の事業部長兼統括編集長として本誌とデジタルを統括。2024年より新規部署「ブランドビジネス部」の部長に就任。2025年10月「光文社ドクチョー総研」を立ち上げ、現在に至る。

陣内:そうですね、CLASSY.読者は、ジュエリーでも、そのアイテムが生まれたバックグラウンドや、デザインが持つ意味を大事にする傾向にあります。ですので、座談会でブランドの世界観に引き込まれたことも、伝わりやすく共感を呼ぶ発信に結びついたのかな、と思っています。今回の参加メンバーはそれぞれ、インスタのフォロワー数も異なり、一般的なインフルエンサー施策とは違った人選ともいえると思いますが、そのあたりはいかがでしたか?
小池田さん:私たちとしては、数字よりもブランドへの共感や熱量を持った方に発信していただいた方がより届きやすいと考えているので、フォロワー数は重要ではありませんでした。肩書きや立場を問わず多くの方がSNSで発信をする今、「この人は本当にいいと思って紹介しているのかな」と、消費者自身の情報精査能力も高まっていると感じます。そうした中では、数字にこだわるよりも、ブランドとの親和性や熱量の高さを重視していきたいです。

陣内素実
CLASSY. 編集部
男性ファッション誌を経て2018年光文社に入社し、CLASSY.編集部に所属。ファッションのほか、フェミニズム関連企画を担当。光文社ドクチョー総研メンバーの一人。
CLASSY. 読者の座談会はいい意味で意外性だらけでした
原:ありがたいお言葉をいただきましたが、今回の取り組みにあたり、懸念点はありましたか?
小池田さん:座談会では、ざっくばらんな意見を聞きたいと思う一方で、ブランド側が同席することで「本音が言いにくくなってしまうのではないか」という点は懸念していました。
陣内:実際はいかがでしたか?
小池田さん:いい意味で裏切られました。というのも、今回の座談会は、リーダーズ&カップルズの方々と原さん&陣内さんの距離が近いからこその質問の深さや会話の広がりが肝だったと思うんです。すでに編集部との関係性が深く出来上がっているからこそ、私たちが同席していてもリアルな声が聞けた実感があります。座談会の始まりから女子会のように盛り上がっていて、一見関連がないように思える会話の流れから、その人の生活や本音が垣間見えたり、香りの話に着地していた聞き出し方は初めての経験でしたし、とても面白かったです。

座談会では、Flora Notis JILL STUART(フローラノーティス ジルスチュアート)のシグネチャーフレグランス「アイコニックブルーム オードパルファン」をはじめ、様々なアイテムをトライアルしながら、香りやパッケージに関する率直な意見をCLASSY.リーダーズ&カップルズの9名にヒアリング。
原:日頃から読者調査をしている陣内さんから見て、普段のドクチョーとの違いはありましたか?
陣内:全くなくて、いつも通りでした(笑)。参加してくれたみなさんは、CLASSY.リーダーズ&カップルズとしての自覚を持って参加してくれているのと、「人の役に立ちたい」という想いが強い世代でもあるので、いい意味で忌憚なく話をしてくれた印象です。小池田さんがおっしゃっていたように、普段のドクチョーでも、核心よりもその周辺の話から聞くことが多いです。例えばスキンケアだとしたら、もちろん愛用品も聞きますが、「寝落ちしちゃったときにはどうする?」とか、シーンを限定して投げかけるとより具体的な話が出てきたり、思わぬ収穫があったりしますね。
小池田さん:そうすると、リアルな声が引き出せるのですね。
原:ドクチョーは、お悩み相談を兼ねた女子会みたいな雰囲気もありますよね。
実際の座談会風景です。香水だけでなく、柔軟剤や男性が使う香水の話や家族間の香りギャップなど…色々な話題が飛び出します。

陣内:編集者としてはそう感じてもらえているとうれしいです。〝なんでも話を聞いてくれる、いとこのお姉さん〟くらいの立ち位置がちょうどいいのかな、と。
小池田さん:座談会に参加して、「こんなにもたくさん喋っていただけるんだな」という実感もありました。
原:そういったお言葉は、他社さんからもよくいただきます。
小池田さん:そこにもプラスの意味での意外性がありました。参加者との関係性が出来上がっていないと、質問も回答も決まりきったものになりがちですが、雑談が雑談で終わらずに核心に繋がったり、一歩踏み込んで聞けたりするのは、編集部が築いてきた信頼関係があってこそだと思います。
「なぜCLASSY.、そしてドクチョー総研だったのか」――調査データを活かしたブランドコミュニケーションのこれから
「光文社の雑誌は『JJ bis』『JJ』『CLASSY.』『VERY』と学生時代から今に至るまで、ずっと愛読してきました」という小池田さん。

原:「ドクチョー総研」は2025年10月に立ち上がった組織です。一般的なアンケート調査会社さんに比べてパネル数も圧倒的に少ない中、お取り組みを決めていただけたポイントはどこにありましたか?
小池田さん:Flora Notis JILL STUARTのメインターゲット層とCLASSY.さんの読者層が近い、という前提で、この層のリアルなライフスタイルや価値観を定性的に知ることができる点が一番大きかったと思います。
陣内:どんなところにCLASSY.との親和性を感じてくださったのですか?
小池田さん:上品な華やかさがありつつも、自立したカッコよさもある。CLASSY.さんの持つイメージが、表現したいブランド像と合致すると思っていました。
陣内:まさに私たちが目指しているところなので、うれしいです! CLASSY.読者はお仕事を軸にしながらも、華やかな要素は欠かせないですし、TPOに相応しい品も大事にしています。
原:また、今回のインサイト調査結果レポートは今後のコミュニーケーション戦略やPR活動に活かしていただけそうでしょうか?
小池田さん:もちろんです。本プロジェクトの中で、ブランド名に〝JILL STUART〟を冠していることで「自分ごとではないと思っていた」というCLASSY.世代からのリアルな答えを聞くことができたのは、大きな収穫のひとつでした。その一方で、実際に香りを試してもらうと高評価をいただけて、ブランドとしての自信にもなりました。今回の調査では、ターゲット層の方々に試していただく機会や接点を増やす施策や、「若すぎる、可愛すぎる」という先入観を払拭するためのビジュアル作りなど、すぐにでも店頭プロモーションやPRに活かせる深いデータが得られたと受け止めています。フレグランスといっても、ライフステージによって求めるアイテムが異なり、その部分でもリアルな声をいただけたので、これからの商品展開にも反映させたいと考えています。
原:ありがとうございます。最後に、今後「ドクチョー総研」に期待されることを教えてください。
小池田さん:調査を通じて、改めてFlora Notis JILL STUARTとCLASSY.さんの親和性の高さを実感しました。この先のブランド拡大において、アンケート、座談会、PR投稿によって見えてきた課題に取り組めば、届けたい方にきちんとリーチできる、という確信も得られました。今後も読者のみなさんの協力を得た取り組みをはじめ、継続的な共創をしていきたいと考えています。
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撮影/髙橋智英(光文社写真室) 取材/坂本結香
株式会社 光文社
光文社ドクチョー総研とは、”顔が見えるデータを活用してビジネスの課題を解決するマーケティング機関”
人生にアクティブな女性たちへのドクチョー起点で企業様と一緒にマーケティングを行い、人々の生活がときめくキッカケをお手伝いします。